今年も白鳥飛来!環境保全は一日にして成らず
今年も12月に入った頃から、河北町元泉地区の冬季湛水の田んぼに白鳥が飛来し、故郷の風景に優しさを提供してくれています。今年度はいつもより多くの白鳥が飛来しているようです。
冬季湛水とは、稲刈りが終わった水田に冬の間に水をはる農法のことで、土壌生物(土壌微生物や土壌動物)の活性により、肥沃な土を作るとともに、健全な食物連鎖によって、多様な生き物の生息環境ができます。
私たちの地区で冬期湛水を始めたのは平成23年からで、今年で10年目になります。白鳥が飛来したのは、活動を始めて2~3年後で、それからは毎年、寝ぐらとして夕方飛来し、朝そこから餌場まで飛び立ち、また夕方戻ってきます。
場所は餅川排水路源流から両サイドの圃場と集落センター前の大きい道路の両側、ライスセンターから下流域で、現在は、約11ヘクタール、11月20日頃から2月いっぱい位まで10㎝くらいの深さで水を張っています。
冬期湛水は町内では奥山農園の農場だけですが、どこでもどんな水でも張ればよいと言うものではなく、自然流水もしくは地下水の汲み上げでなければなりません。当地域では、餅川から取水しています。
環境保全型農業取り組み条件は、第3者機関の特別栽培米認定が必要で、加えてGAPの取り組みもしくは、取り組み姿勢も問われますが、元泉地区では奥山農園がグローバルGAP認証を受けているので、条件がクリアしています。
長く冬期湛水しているせいか、生き物が増え、実施田から「とんぼ」の発生が毎年多くなってきています。又、イナゴの発生は、イナゴの農薬を使わなくても、自然環境の中で、アメンボウが増えて、捕食によって増殖を抑えていてくれているようです。
ここまで出来上がるのに10年。「環境保全は一日にして成らず」です。